お師匠様

阿部が師事した人達

主に2名の技術を継承しています。
ベヒシュタイン日本総代理店に勤務する事でベルリンでやっている事を出来るだけ忠実に日本で再現するサービスを考え数度にわたりベルリン工場へトレーニングに行く事になりました。そこで出会う事になるのがP.山内氏です。ヨーロッパで学ぶ者としてまず最初に立ちはだかる問題は言葉の問題になりますが、それが幸運にもありませんでした。なんと日本語で伝統のベヒシュタインの技術を学べました。音楽を学ぶのも似たものがあるかもしれませんが、私は日本で完全に煮詰まった状態で行く事が出来タイミング的には最高の状態でした。聞くべき時に最良の言葉を聞く。その時間を持つ事が出来ました。準備ができずに行ったら豚に真珠、猫に小判でした。しかし1度のトレーニングでは完全ではなく現地に一定期間滞在するトレーニングを数回行いました。最終的にはベヒシュタインの製造ラインの整音部門に入り8台のベヒシュタインのグランドピアノを製造するところまでやりました。ベルリンで学んだ事を日本で実現して下さいという言葉を胸に帰国します。日本では辻文明氏を技術顧問に迎え、国内のベヒシュタインメンテナンスのクオリティーアップを目的に技術研究会を定期的に実施し様々な角度からピアノ技術が研究されました。辻氏の着眼点は天才的な物があり常に刺激を受けていました。

P.山内氏
ベヒシュタイン社ベルリン工場で長年マイスターの職を担当する。戦後のベヒシュタインの音を継承する時代から2000年以降大きくモダンに変化する時代まで一貫して全ての製造されるベヒシュタイン関わって来た人物。伝統のベヒシュタインの技術を学ぶ日本人にとってヨーロッパの名門メーカーのトップの技術者が日本人であることは大変幸運な事でした。

辻文明氏
日本楽器製造株式会社(現ヤマハ株式会社)に入社。ハンブルク支店駐在を経て帰国後、同社のコンサートグランドピアノの開発責任者として,CF-IIIを世に送り出した他、アーティストサービス部ではピアノ調律師としての仕事も続けた。 1997年、同社退職後はフリーのピアノ調律師として活躍。ユーロピアノ技術顧問就任。卓越した技術とその人柄で,国内外の演奏家の信頼を得た。中でも内田光子のピアノ調律を手がけたことで知られる

株式会社ベヒシュタイン・ジャパン・コンサートチューナー 阿部辰雄